アロマテラピーのメカニズム

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私達は、見る(視覚)・聴く(聴覚)・嗅ぐ(嗅覚)・味わう(味覚)・触れる(触覚)などの感覚を持っています。

  • 物理的感覚・・・視覚・聴覚・触覚
  • 化学的感覚・・・味覚・嗅覚

嗅覚以外の感覚は、

感覚器官からの情報

→脳が思考・判断(大脳新皮質)

→状況に応じた行動の指令(大脳辺縁系)

→精神・身体が動く

という経路で作用しています。

嗅覚は、

感覚器官からの情報

→脳が状況に応じた行動の指令(大脳辺縁系)

→精神・身体が動く

→脳が思考・判断(大脳新皮質)

と、生理機能をつかさどる部分(大脳辺縁系)に直接伝わります。

つまり、香りをかぐことで大脳新皮質の認識をを待たず、直接的に自律神経系や内分泌系(ホルモン調節)、免疫系の調整をしている部分 = 本能的な部分が刺激を受け、バランスを整えます。

アロマテラピーは大脳辺縁系(本能的な部分)の特徴を有効に活用して行う癒しの方法なのです。

恒常性(ホメオスターシス)

暑さや寒さ、疲れなどストレスがかかった時、人間の体の中では常にバランスを取ろうとします。

これを恒常性(ホメオスターシス)といいます。

恒常性をコントロールしている器官は視床下部(脳の一部)です。

視床下部は自律神経系・内分泌系(ホルモンバランス)・免疫系の3つのバランスを保ち、身体を守っています。

アロマテラピーは恒常性の維持と促進に役立ちます。

自律神経系

自律神経系は交感神経系(緊張)と副交感神経系(リラックス)から構成されています。

自律神経は自ら意識的にコントロールすることはできません。

消化・吸収・循環・発汗・体温調節・内分泌機能・生殖機能・代謝などを無意識かつ自動的に制御しています。

また、交感神経・副交感神経はそれぞれがシーソーのように拮抗的に働いています。

交感神経(緊張)

  • 起床とともに活発に働きだし、日中にピークを迎えます。
  • ノルアドレナリン・アドレナリンを放出します。
  • 闘争と逃走の神経
  • 活発な活動中に活性化されます。

おすすめの精油

  • ローズマリー
  • ペパーミント
  • レモングラス
  • バジルなど


副交感神経(リラックス)

  • 夕方から活発になっていき、夜から深夜にかけてピークを迎えます。
  • 身体を休めているときに活性化します。
  • アセチルコリンを放出します。

おすすめの精油

  • ラベンダー
  • カモミールローマン
  • イランイラン
  • マンダリン

過度のストレスや不規則な生活続くと交感神経が活発なままで不眠につながることもあります。

内分泌系

ホルモンを分泌します。

分泌したホルモンは血液中に溶け出して、血管やリンパ管を通じて全身を回ります。

成長・性発達・睡眠・空腹・食物消費の仕方などを調節します。

おすすめの精油

  • クラリセージ
  • フェンネル
  • ジュニパーベリーなど

免疫系

体の中には、自己と非自己を識別し、非自己を排除する免疫システムが備わっています。

異物が侵入すると排除しようと対抗します。

これらの生体防御の中心となっているのはリンパ球です。

リンパ球は血液とリンパ液の中を行き来し、体の免疫に重要な役割を果たしています。

おすすめの精油

  • カモミールジャーマン
  • ジンジャー
  • フランキンセンス
  • ラベンダーなど

このほかにも身体に様々な作用をもたらします。

それぞれが独立して作用するのではなく、連携し、協力し合い身体の恒常性を保っています